1.不動産鑑定士とは?
不動産鑑定士とは、不動産の鑑定評価に関する法律に基づく国家資格であり、不動産(土地・建物)の価格や賃料を評価する者をいう。不動産鑑定士試験(短答式+論文式)に合格し、実務経験の上、面接に合格すれば、国土交通省に不動産鑑定士として登録される。
不動産鑑定士試験は、司法試験、公認会計士試験に並ぶ三大国家試験に位置付けれており、超難関資格と言っても過言ではないだろう。
2.不動産鑑定士の仕事は?
不動産鑑定士の仕事と言われても多くの人はピンと来ないでしょう。
実は、不動産鑑定士は土地や建物の価格を鑑定し、その経済価値である賃料(家賃・地代)をも鑑定します。つまり、一般の人では判定し得ない土地や建物の価格や賃料を判断するのです。
したがって、依頼者から銀行からの融資の際の担保物件の評価やテナントとの賃料交渉のための材料を提供したりするのです。
さらに、不動産鑑定士は不動産資格の最高峰であり、不動産の専門職業家なので、不動産に関するコンサルティングを行うこともあります。
3.不動産鑑定士試験制度
不動産鑑定士試験には、短答式と論文式の2段階があります。
短答式に合格した者は、論文式試験を短答式に合格した年を含めて3年間有効となっています。
したがって、一年目に短答式に合格して、翌年に論文式に合格するというパターンが多いように思います。
①短答式(2時間✕2科目)
・行政法規
・鑑定理論
②論文式(2時間✕2科目✕3日間)
・民法
・経済学
・会計学
・鑑定理論(論文)✕2
・鑑定理論(演習)
短答式でさえも、1日に4時間の試験がありますが、論文式の場合、その3倍であり、合計12時間という長丁場の試験となっていることも超難関といわれる所以だと思います。
私も論文式試験を受けてきた訳ですが、精神的にかなりきついです。体力勝負の試験といえます。
4.不動産鑑定士試験の合格率
難関資格といわれる不動産鑑定士試験ですが、実際にどのくらいの人が合格しているのでしょうか?
以下は短答式と論文式の各々の合格率を示したものです。
毎年合格者数は100人前後であり、かなりの難関資格であることが伺えます。
実施年 | 短答式 | 合格者数 | 合格率 | 平均年齢 | 論文式 | 合格者数 | 合格率 | 平均年齢 |
受験者数 | 受験者数 | |||||||
平成18年 | 4,605 | 1,106 | 24.00% | 33.3歳 | 912 | 94 | 10.30% | 29.8歳 |
平成19年 | 3,519 | 846 | 24.00% | 34.8歳 | 1,164 | 120 | 10.30% | 29.9歳 |
平成20年 | 3,002 | 678 | 22.60% | 34.7歳 | 1,308 | 132 | 10.10% | 31.4歳 |
平成21年 | 2,835 | 752 | 26.50% | 35.0歳 | 1,230 | 124 | 10.10% | 32.9歳 |
平成22年 | 2,600 | 705 | 27.10% | 35.8歳 | 1,130 | 106 | 9.40% | 30.6歳 |
平成23年 | 2,171 | 601 | 27.70% | 36.5歳 | 1,038 | 117 | 11.30% | 32.1歳 |
平成24年 | 2,003 | 616 | 30.80% | 36.7歳 | 910 | 104 | 11.40% | 34.7歳 |
平成25年 | 1,827 | 532 | 29.10% | 38.2歳 | 812 | 98 | 12.10% | 34.6歳 |
平成26年 | 1,527 | 461 | 30.20% | 39.3歳 | 745 | 84 | 11.30% | 35.9歳 |
平成27年 | 1,473 | 451 | 30.60% | 39.0歳 | 706 | 100 | 14.20% | 35.3歳 |
平成28年 | 1,568 | 511 | 32.60% | 37.8歳 | 708 | 103 | 14.50% | 35.0歳 |
平成29年 | 1,613 | 524 | 32.50% | 38.6歳 | 733 | 106 | 14.50% | 32.8歳 |
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