私は不動産鑑定業務を普段しておりますが、不動産業界についてあまり詳しくない人に自分の仕事を説明すると「宅建とは違うの?」とよく聞かれます。
不動産鑑定士と宅建(宅地建物取引士)の違いって意外に知られていないんだなと痛感します。
私も学生のときは、不動産鑑定士と宅地建物取引士との違いを全く理解していませんでした。
(実は不動産鑑定士はおろか宅建すら知りませんでした。笑)
そこで、今回は不動産鑑定士と宅建(宅地建物取引士)の違いについて説明していきたいと思います。
①業務内容が違う
不動産鑑定士は、その名の通り不動産の鑑定評価を行います。不動産の鑑定評価とは、不動産の経済価値を価格又は賃料で表示することを言います。
分かりやすく言うと、土地の価格やオフィスの賃料などを評価(計算して数字を算出)するのが不動産鑑定士の仕事と考えて頂いたら問題ありません。
一方、宅建は土地や建物の取引の仲介をするのが主な仕事となります。要は、売りたいと思っている人と買いたいと思っている人を巡り合わせて、取引がうまく成立するように引き立てるのが宅地建物取引士なんです。(恋愛で言えば、キューピット役かもしれませんね。笑)
このように業務内容が全く違います。
なお、不動産鑑定士の資格を有していない人が不動産の価格を評価したりすることは法律で禁止されています。
②資格の難易度が違う
不動産鑑定士と宅地建物取引士の大きな違いは、業務内容もさることながら、資格取得の難易度が全く違います。
以前、不動産鑑定士の難易度と宅建の難易度についてこのブログで説明しましたが、今一度ここで説明しましょう。
ざっくり言うと、大学入試のセンター試験が宅建だとすれば、旧帝国大学の筆記試験が不動産鑑定士だと言えると思います。
三大国家資格と言われるだけあり、不動産鑑定士は宅建よりも圧倒的に難しいです。
実際に、宅建の試験はマークシートだけですが、不動産鑑定士は1次はマークシートで2次は論述試験です。
なお、三大国家資格は弁護士、公認会計士、不動産鑑定士なんですが、弁護士と公認会計士の方が不動産鑑定士よりも断然難しいという印象です。
とはいえ、不動産鑑定士も非常に難しい試験です。
ただし、合格できない試験かと言われるとそうではありません。
相当の覚悟があり、努力をすれば合格できる試験です。(特に暗記できるかが重要。暗記方法はこちら)
以上が不動産鑑定士と宅建の大きな違いです。
ちなみに、不動産鑑定士と宅建の気になる年収ですが、人によって大きく異なるというのが答えです。(どうしても気になる方は、こちらを参考にしてください。)
結局は、個人のやる気次第ってことですね。
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