不動産鑑定士、中小企業診断士のズーヤンです。
あなたはVRIO分析をご存知でしょうか?
SWOT分析は有名ですが、VRIO分析についてはあまり知られていないかもしれません。
そこで、この記事は次の人向けに書いています。
・VRIO分析は聞いたことあるけど具体例を知りたいという人
あなたはこの記事を読むことで、VRIO分析の概要を知ることができ、VRIO分析の具体例を理解することができます。
まずは、結論から申し上げます。
そもそもSWOT分析をご存知なければ、VRIO分析の内容を見る前に以下のSWOT分析の記事をご確認ください。
VRIO分析とは?
VRIO分析とは、経済性(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Imitability)、組織(Organization)の観点で企業の強みを分析するものです。
SWOT分析は、自身の強み(Strength)と弱み(Weakness)、環境の機会(Opportunity)と脅威(Threat)について分析するツールですが、VRIO分析はその強みを分析する補完的な位置づけなんです。
強みと思い込んでいても、VRIO分析をしてみれば、意外とその強みがそこまで強みになっていないことが分かる場合があります。
まず、VRIO分析は、4つの要因に関する問いかけを行います。
V:経済性(Value)
R:稀少性(Rarity)
I:模倣困難性(Imitability)
模倣困難性の要因には以下の4つがあります。
①独自の歴史的要因
②因果関係不明性
③社会的複雑性
④特許
O:組織(Organization)
この問いにすべてにYesと答えられる企業は、その経営資源について強みを持っているといえます。
いかがですか?
言ってることは分かるけど、具体的にどのように活用するの?と思う方も多いかもしれません。
そこで、このブログは「不動産事典どっとこむ」ですので、不動産会社を例にVRIO分析の説明をしていきます。
VRIO分析の具体例
不動産業界のトップといえば、三井不動産ですね。
三井不動産は、日本橋を中心にオフィスビルや商業ビル等を開発・保有しています。
三井不動産という企業の強みもVRIO分析をしてみると、なぜ強みなのかを理解することができます。
それでは、VRIO分析の4つの問いかけをしてみましょう。
V:経済性(Value)
企業の保持する経営資源は、経済性を有しているか?(要は、その経営資源に価値があるのか?)
R:稀少性(Rarity)
他の企業がその経営資源をすでに保有しているか?(逆に、その経営資源は他の企業が保有していない稀少なものか?)
I:模倣困難性(Imitability)
その経営資源を保有していない企業が、経営資源を獲得するのに多大なコストを要するか?
O:組織(Organization)
上記のVRIを満たす経営資源、つまり、価値があり、稀少性があり、模倣困難性を伴う経営資源を保有する組織がその経営資源を使いこなせるか?
以上のことから、三井不動産の保有する日本橋の不動産は、強みとい言えるでしょう。
これらの流れがVRIO分析の具体例になります。
他の業界でももちろん使えますので、分析ツールとして活用してください。
まとめ
いかがでしょうか。
SWOT分析だけでなく、VRIO分析を知ることで、その企業の強みの原因を知ることができます。
これまでの解説をまとめると次のとおりです。
VRIO分析の4つの要素は次のとおりです。
R:稀少性(Rarity)
I:模倣困難性(Imitability)
O:組織(Organization)
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