ポイズンピルとは?概要、メリット、デメリットを分かりやすく解説!

近年は、M&Aについてニュースをよく目にするようになりました。

トランビによるM&Aマッチングサービスの台頭だったり、事業承継の一つの手段としてM&Aを活用したり、武田薬品工業株式会社によるシャイアーの買収だったりと話題が多数あります。

そのようなM&Aにおける企業買収の際に、敵対的買収と友好的買収があることをご存知でしょうか。

敵対的買収は、買収対象企業の同意を得ることなく買収することです。

このような敵対的買収では、これまでの企業経営が脅かされる危険があります。

そこで、敵対的買収の予防策として、「ポイズンピル」について解説していきたいと思います。

 

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ポイズンピルとは?

ポイズンピルとは、予め既存株主に対して新株予約権を発行しておき、買収者が一定の議決権割合を取得した場合に、敵対的買収者以外の株主が新株予約権を行使できるようにすることで、買収者の持株比率を低下させ、買収コストを増加させることにより、買収を防衛する方法を言います。

ポイズンピルのメリット

ポイズンピルのメリットは、買収防衛策として非常に有効であることです。

敵対的買収者は、株式を買収するコストが増加するため、敵対的買収をあきらめる可能性があります。

また、ポイズンピルは、毒薬のように一定水準の議決権割合を取得されたときに自動的に発動することができるため、敵対的買収に対する抑止力があります。

ポイズンピルのデメリット

ポイズンピルのデメリットとして、株主から新株発行の差し止めを請求される可能性があります。

また、新株を大量に発行することで、株式数が増加することになり、株価の低下を招くこととなります。

したがって、株主からの反発を受ける可能性があるということです。

ポイズンピルを実行する場合には、株主に対しての利益を棄損することがないように配慮する必要があります。

 

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ポイズンピルの種類

①事前警告型ポイズンピル

事前警告型のポイズンピルは、敵対的買収者が現れた場合、買収者に対して買収の目的や事業計画を開示するように求めます。相手が買収の目的や事業計画を開示しなかった場合、ポイズンピルが発動します。

しかし、相手が買収の目的や事業計画を開示してきた場合、開示してきた内容を株主に伝えるとともに、株主に対して反対意見や代替案を提示する必要があります。この場合、ポイズンピルは発動しません。

最終的には、買収者側の提案内容と被買収者側の提案内容のいずれを選択するかは株主次第となります。

②信託型ポイズンピル

信託型ポイズンピルは、あらかじめ新株予約権を信託銀行に預けておく「直接型」と、SPCを組成し、SPCに新株予約権を発行して、SPCから信託銀行に預けておく「間接型」があります。

いずれの場合にも敵対的買収者が現れた場合には、株主に対して新株予約権を交付することになります。

なお、新株予約権については、敵対的買収者に渡ることがないように、譲渡制限を付しておく必要があります。

 

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ポイズンピル以外の敵対的買収の予防策・防衛策

①予防策

  • 黄金株(拒否権付種類株式)
  • ゴールデンパラシュート
  • ティンパラシュート
  • プットオプション
  • チェンジ・オブ・コントロール条項

②防衛策

  • 第三者割当増資
  • 新株予約権の発行
  • ホワイトナイト
  • 第三者との株式交換・合併
  • クラウンジュエル
  • 資産ロックアップ
  • 増配
  • パックマンディフェンス

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