経営者必見!手形貸付と証書貸付の違いとは?分かりやすく解説!

資金繰りについて、どこの企業においても重要な課題ではないでしょうか。

売上や利益があがっていたとしても、資金繰りがうまくいかず、黒字倒産なんてことも珍しい話ではありません。

また、資金繰りをする上で、経営者であれば必ず理解しておかなければならないのは、証書貸付と手形貸付の違いです。

そこで、今回は証書貸付と手形貸付の違いについて説明してきたいと思います。

証書貸付とは

証書貸付とは、融資期間が1年以上の長期借入金に利用する融資形態であり、証書を交わして行う貸付を指します。

一般的には、金銭消費貸借契約を締結することになります。

つまり、証書=金銭消費貸借契約書のことを指します。

金銭消費貸借契約書には、契約日、金利、借入金額、遅延損害金、返済期間などの内容が記載されます。

証書貸付は、設備投資や運転資金などの資金調達に使われることが多いです。

証書貸付における返済には、「元金均等返済」「元利均等返済」があります。

元金均等返済とは、元金を毎月同額返済し、利息は融資残高に応じた金額を支払うことになるので、融資残高が多い当初は金利の額は多くなり、融資残高が減るにつれて金利の額は小さくなっていきます。一般的には、元金均等返済が多いです。

一方、元利均等返済とは、元金と利息の合計を毎月均等額で返済していく方法です。融資残高に関わらず毎月返済する金額は同額なのが特徴です。

 

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証書貸付のメリット

  • 証書貸付を利用するメリットは、長期借入金により資金繰りが安定することです。
  • 証書貸付の場合、据え置き期間を設定することも可能であり、創業間もなく売上や利益を確保できていない事業者にとっては、返済負担の軽減になります。

証書貸付のデメリット

  • 証書貸付は、手形貸付と比較して貸付期間が長いことから、金利が高いです。
  • 証書貸付は、貸付期間が長く、借り入れ金額大きいことから、手形貸付よりも経営上の借入れリスクが大きくなる。

手形貸付とは

手形とは、支払日を設定して支払先に渡せば、その支払先は設定された支払日以降に銀行からお金が引き出せるものです。

小切手との大きな違いは、支払期日を伸ばせることです。

手形貸付とは、企業が発行する手形を担保にして、銀行から融資を引き出すことを言います。

手形を振り出すためには、銀行の厳しい審査をクリアして当座預金口座を開設する必要があり、この当座預金口座を持っている企業に信用力があるため、手形を担保に銀行は融資をしてくれるのです。

また、手形の支払期日になっても手形を保有している企業が手形を現金化できなかった場合、「不渡り」となります。この不渡りは起業の当座預金の残高が足りなくなったときに起こります。

この不渡りを半年間に2回出してしまうと、2年間銀行からの融資を受けることができなくなります。

したがって、事実上会社は倒産してしまうことになるのです。

なお、似たような言葉に手形割引があります。

この手形割引というのは、ファクタリング(売掛債権譲渡)と似ており、手形を譲渡して資金を調達できる代わりに手数料を支払うものです。

 

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手形貸付のメリット

  • 手形を担保にすると銀行側の債権回収リスクが低くなることから、融資のスピードが早いのが特長です。
  • 振り出した手形で不渡りを出してしまうと企業は信用を失うことになり、事実上倒産するに至ることもあるので、手形は換金性が高いと考えられることから、融資のスピードが早くなります。
  • 通常の融資(証書貸付)であれば、担保に供している資産の審査や保証人の審査に時間がかかりますが、手形貸付の場合は手続きがスムーズです。

手形貸付のデメリット

  • 手形貸付は信用力の担保になる反面、当座預金口座を開設すること自体のハードルが高いことがデメリットとなります。当座預金口座を開設することができなければ、手形を発行することができません。
  • 手形貸付の場合、返済期限が最長で1年程度であるので、大きな金額の融資を受けることができないということもデメリットの一つです。

証書貸付と手形貸付の金利の違い

最後に証書貸付と手形貸付の金利の違いについて触れていきましょう。

一般的に証書貸付の金利の方が手形貸付の金利と比較して高いです。

証書貸付の金利 > 手形貸付の金利

なぜなら、証書貸付の融資期間の方が手形貸付の融資期間よりも長く、資金の回収リスクが高いからです。

つまり、金利というのは資金の回収リスクを表すものなので、長期借入金である証書貸付の金利の方が高くなるのです。

 

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