不動産開発経験もある不動産鑑定士のズーヤンです。
この記事は次のような人向けに書いています。
・不動産開発の実務をしようとしているけど、開発許可について全く分からないという人
あなたはこの記事を読むことで、都市計画法の開発許可の概要について理解することができます。
また、あまり他のサイトやブログには書いていない実務的な話についても書いていきたいと思いますので、都市計画法の開発許可とはどんな仕事内容なのか分かって頂けると思います。
そもそも不動産開発の手続きとは?
開発許可が必要な場合とは?
都市計画法に基づく開発許可の手続きの手順は?
①事前相談
②都市計画法32条同意・協議
③都市計画法29条許可
④開発工事(造成工事)
⑤竣工検査
⑥検査済証発行
まとめ
そもそも不動産開発の手続きとは?
まず、不動産の開発と聞いて具体的にどのような手法を思いつきますか?
不動産開発は一つの手法だけではありません。
具体的には、
・土地区画整理法に基づく土地区画整理事業により区画整理を行い、その土地に建物を建てる方法
・都市再開発法に基づく市街地再開発事業により建物を建てる方法
などがあります。
その中で、宅建などでメジャーなのが都市計画法に基づく開発許可を使うパターンです。
したがって、この記事では都市計画法に基づく開発許可にフォーカスします。
開発許可が必要な場合とは?
そもそも開発許可を取得する場合の開発行為とはどのような行為を言うのでしょうか?
都市計画法によれば、次の行為を開発行為といいます。
「主として建築物の建築又は特定工作物(コンクリートプラント等の第一種特定工作物及びゴルフコース、1ha以上の墓園等の第二種特定工作物)の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更」
ここで大切な要素は、2つです。
②土地の区画形質の変更
まず、①について、建築物などを建てるのが目的である必要がありますので、そのような目的がなく、地べたを削るだけなら開発行為の対象となりません。
ただし、宅地造成工事規制区域内であれば、宅地造成等規制法に基づく許可が必要になります。当然許可基準はありますが…
次に②について、区画形質の変更についてです。
区画の変更というのは、敷地を統合したり、分割したりすることを指します。
形の変更というのは、造成行為を指します。
質の変更というのは、農地などの宅地以外の土地を宅地にすることを指します。
したがって、①と②の両方を満たさないのであれば、開発行為に該当しないということになります。
他に開発する土地の面積にも基準があります。
例えば、大阪市であれば、市街化区域の500㎡未満の土地であれば、開発許可が不要です。
これは、行政によって異なるので、必ず管轄の役所に確認する必要があります。
都市計画法に基づく開発許可の手続きの手順は?
開発許可の手続きの手順について、説明していきます。
開発許可の手順は、ざっくりいうと下記のとおりです。
②都市計画法32条同意・協議
③都市計画法29条許可
④開発工事(造成工事)
⑤竣工検査
⑥検査済証発行
都市計画法に基づき開発をするときはこんな感じの流れになります。
それでは、それぞれについて見ていきましょう。
①事前相談
この段階では、具体的な土地利用計画図を役所に示して、協議を行います。
道路の幅員が確保されているか、必要な緑地を配置しているか、排水に問題はないかなどのチェックを受けながら、計画を固めていきます。
この段階でほぼほぼ計画が決まります。
②都市計画法32条同意・協議
この段階では、道路や公園、下水などの役所が管理する施設についての同意・協議を行います。
この手続きは、役所の人が道路や公園を管理するために、問題ないかのチェックを行います。
③都市計画法29条許可
29条の許可申請は、許可申請とはいうものの、①②の段階で計画は具体的に固まっているので、役所側の許可の処理手続きと考えてよいです。
ただし、これまで担当者レベルでの協議をしているので、別の技術担当や上司の目を通すことで、別の意見が出てくることもあります。
④開発工事(造成工事)
開発許可を取得したら、いざ開発工事(造成工事)を実施します。
このとき、よくあるのは、工事の騒音や粉塵によるクレームは多いです。
なので、当然ながら、その辺の対応をしつつ、計画通りに造成工事を進めていきます。
⑤竣工検査
工事が完了したら、役所の人に検査をしてもらいます。
問題がなければ、検査済証の発行手続きに進みます。
⑥検査済証発行
工事や検査が完了したら、検査済証の発行を役所にしてもらい、開発工事は完了となります。
まとめ
いかがでしょうか。
最後に、都市計画法の開発許可について、要点をまとめます。
都市計画法における開発行為は以下の2要件を満たす行為です。
②土地の区画形質の変更
また、都市計画法の開発許可取得までの流れは次のとおりです。
②都市計画法32条同意・協議
③都市計画法29条許可
④開発工事(造成工事)
⑤竣工検査
⑥検査済証発行
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