経営者の方であれば、一度は資金調達について悩んだことはあるのではないでしょうか。
一般的に資金調達の方法といえば、金融機関からの融資、投資家からの出資、クラウドファンディングなどを思いつくのではないでしょうか。
実は、これ以外にも資金調達方法はいくつもあります。
そこで、今回はファクタリングについて紹介したいと思います。
ファクタリング(売掛債権譲渡)とは?
ファクタリングというと何だか難しそうと感じる人も多いかもしれません。
言い方を変えれば、「売掛債権譲渡」です。
売掛債権譲渡といえば分かりやすいかもしれません。
つまり、企業が保有している売掛債権を譲渡(売却)することです。
手形割引と似ており、将来的にお金を請求する権利を第三者に譲渡することで、お金を手に入れる資金調達の手法です。
ファクタリング(売掛債権譲渡)と手形割引との違いは?
ファクタリング(売掛債権譲渡)は、貸金業法が適用されないのに対して、手形割引は、貸金業法が適用されます。
したがって、ファクタリング(売掛債権譲渡)は貸金業登録業者・金融機関以外の企業がサービスを提供しているのに対して、手形割引は貸金業登録業者・金融機関がサービスを提供します。
また、手数料についても、ファクタリング(売掛債権譲渡)は利息制限法の対象外となるのに対して、手形割引は利息制限法の対象となります。
したがって、ファクタリング(売掛債権譲渡)の方が手形割引よりも手数料が高くなります。
ファクタリング(売掛債権譲渡)のメリット
①資金調達スピードが早い
最大のメリットは、資金調達スピードが非常に早いことです。
資金調達は時間との勝負であり、審査に長期間を要する金融機関とは異なります。
②保証人や担保が不要
2つ目のメリットは、保証人や担保が不要ということです。
ファクタリング(売掛債権譲渡)は、借り入れではなく、あくまで債権譲渡なので、保証人や担保は不要です。
保証人や担保を確保するのは、なかなかハードルが高いので、無担保・無保証人で資金調達ができるメリットは非常に大きいです。
③金融機関ほど審査基準が厳しくない
3つ目のメリットは、ファクタリング(売掛債権譲渡)の審査基準は金融機関ほど厳しくないということです。
先述したとおり、ファクタリング(売掛債権譲渡)は、借り入れではなく債権譲渡です。
売掛金の回収リスクについて、きちんと説明できれば、税金の滞納等があったとしても融通を効かせてもらえます。
④売掛債権の回収義務がない
4つ目のメリットは、売掛債権の回収義務がないことです。
ファクタリング(売掛債権譲渡)の場合、仮に売掛先が破綻をした場合でも、その回収義務はありません。
⑤売掛先に知られることなく資金調達ができる
5つ目のメリットは、売掛先に知られることなく資金調達ができることです。
2社間ファクタリング(売掛債権譲渡)での取引であれば、売掛先に知られることはありません。
資金繰り難の事実が売上先に知られてしまうと、今後の取引に影響がでる懸念がある場合は、ファクタリング(売掛債権譲渡)は有効な資金調達手段といえるでしょう。
ファクタリング(売掛債権譲渡)のデメリット
①手数料がかかる
当然のことながら、ファクタリング会社に対して、手数料を支払う必要があります。
ファクタリング(売掛債権譲渡)の手数料は、手形割引でいう割引率に相当します。
ただし、手形割引の割引率よりも高めに設定されています。
手数料の相場は、3社間ファクタリングの場合3%前後、2社間ファクタリングの場合20%前後が目安です。
②債権譲渡登記が必要な場合がある
2つ目のデメリットは、債権譲渡登記が必要な場合があることです。
債権譲渡登記が必要となる理由は、売掛債権がファクタリング会社にあることを証明するためです。
なお、債権譲渡登記には数万円の費用が発生するので注意が必要です。
まとめ
メリット
- ①資金調達スピードが早い
- ②保証人や担保が不要
- ③金融機関ほど審査基準が厳しくない
- ④売掛債権の回収義務がない
- ⑤売掛先に知られることなく資金調達ができる
デメリット
- ①手数料がかかる
- ②債権譲渡登記が必要な場合がある
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