PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは、経営戦略における成長戦略であり、表においては市場成長率(※1)を縦軸にし、相対的市場占有率(相対的市場シェア)(※2)を横軸にとった表を作成することで、事業のバランスを視覚的にとらえることができます。

(図表出典)http://keiei-manabu.com/strategy/product-portfoliomanagement.htmlより引用
(※1)市場成長率
縦軸の市場成長率が高いということは、その事業がPLC(プロダクト・ライフ・サイクル)における成長期に位置するということを意味します。
逆に市場成長率が低いということは、事業が成熟期、衰退期に位置するということを意味します。
別の表現で言うと、市場成長率が高ければ、資金流出が多くなり(費用が多い)、市場成長率が低ければ、資金流出が少なくなる(費用が少ない)とも言えます。
市場がどんどん成長しているから、次から次へと投資をすることになるため、費用がかさんでいくとイメージしたら分かりやすいかもしれません。
(※2)相対的市場占有率(相対的市場シェア)
横軸の相対的市場占有率が高いということは、累積生産量が多いということから資金流入が多いことを意味します。
相対的市場占有率が低いということは資金流入が少ないということを意味します。
つまり、相対的に市場占有率が高ければ、市場を牛耳っているということであり、その市場の収益を牛耳っていることを意味しています。
なお、相対的市場占有率は、下記の式で表されます。
相対的市場占有率=自社シェア÷自社を除く最大競争相手のシェア
それぞれのカテゴリーの内容については、以下のとおりです。
①問題児
相対的市場占有率:低い
市場成長率:高い
・資金流出が多く、資金流入が少ないため、キャッシュフローがマイナスになっています。
・問題児に投資をすることによって、相対的市場占有率を高めることにより花形になる可能性を有しているが、すべての問題児が花形になるとは限らないため、どの事業に投資をするかの見極めが重要となります。
②花形
相対的市場占有率:高い
市場成長率:高い
・資金流入及び資金流出が多く、キャッシュフローの源泉になっていません。
・花形は市場成長率が高いため、資金流出が多いものの、金のなる木に移行するためには、相対的市場占有率を高いまま保つ必要があるため、投資を持続させる必要があります。
・花形を作り出すパターンとしては、問題児から花形を作るパターンと金のなる木で得た資金での研究開発により直接花形を作るパターンがあります。
③金のなる木
相対的市場占有率:高い
市場成長率:低い
・資金流出が少なく、資金流入が多いことから、キャッシュフローの源泉となっています。
・金のなる木で獲得した資金は、花形や問題児、研究開発の投資に充てることとなります。
④負け犬
相対的市場占有率:低い
市場成長率:低い
・資金流入と資金流出がともに少ない状況です。
・原則として、撤退して、他の事業に注力することとなりますが、負け犬は資金流出が少ないため、利益率が高く、高収益事業(ただし、規模は小さい)になる可能性があります。
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